2009年06月13日

きょうはバロン(犬)を連れて、郊外のカフェに行ってきました。
ちょうどランチタイムに入る直前で、ついでに軽くランチもしてきました。
そこで、たびたび行われる「しべ」(以前GREEN CONCERTで紹介)でのコンサートの予約をしてきました。ふふふ、月末が楽しみ。

きょうはコーヒーのお代わりまでサービスしてもらって、奥さんとお話ししてたら、バイオリン弾きの上野さんの版画展の案内をいただきました。そして、な、なんと本日午後3時からその会場で上野さんのミニコンサートがあるということではないですか、きょうは美術館のロビーコンサートへ行く予定にしていたのですが、急きょ上野さんのバイオリンを聴きに行くことにしましたchoki

※頂いた案内はがきに版画の写真が印刷してあるのですが、これがバイオリンを弾く猫だったのです。ご本人をきっと猫化して作られたのだと思います。
 

 
上野さんの版画は私の版画と違って凸版の木版画ですが、ドイツ時代にコンマスされてて、コンマスという仕事は月の半分くらいはお休みなんだそうです。それで暇が多く時間がたくさんあったので版画をしていたそうです(笑)
版画も上野さんの人柄が出ていると言うか、温かい感じです。少し棟方志功が女らしくなって優しくなったようなテイストで、数点はドイツ語の入った天使のモチーフのもあり、これが和と洋の融和で、なかなかよかったです。
それからその作品を引き立てていたのが、上野さんの相棒のピアノの吉野さんのお姉さんの旦那さんが作られた木製の額。木の皮の部分の素材と自然の形を生かした素敵な額で上野さんの版画ととてもマッチしていて、バランスもよかったです。

会場はリハビリ系の病院のギャラリーなのですが、なぜ?というと、、、版画の売上げの一部をチャリティーにされるということそして病院の院長夫人がどうやら上野さんのおっかけらしいということで、企画されたものでした。

ミニコンサートのわりには1時間も時間を予定されていたみたいで、とても充実してました。


曲目は・・・(私の記憶する限りですが)以下のとおりでした。

1. ビバルティーの「四季」より夏
この曲にはイタリア語でそれぞれソネットが付されているらしいのですが、それを読みながら(日本語で)演奏という変わった演奏で大変興味深かったです。
「灼けつく太陽のこの厳しい季節・・・」演奏→「人も家畜も活力を失い・・・」演奏→「カッコウが・・・」演奏→「ひわも・・・」演奏→「そよ風が・・・」演奏→・・・→みたいな感じで曲は朗読によって分割されますが、詩的な情景が目の前に広がり、曲想がよく理解できました。面白かったです。

次は小品を上野さんが読み上げた中からリクエスト受けたもの3曲
私のリクエスト、チャルダッシュも受けていただきましたgood
2.バッハのG線上のアリア
バッハがつけたタイトルはただのアリアだったのをG線だけで弾いて見せたバイオリン弾きの編曲がそのまま俗名として使用されているそうです。

3.シューマンのトロイメライ
ピアノで弾いたことがありますが、なぜか郷愁を感じる曲です。シューマンといえば、彼の人生の話に触れる演奏家が多いですが、今回も精神を病みライン川での自殺未遂などの話に触れてました。この曲はまだ病んでないころの曲かな。

4.モンティーのチャルダッシュ
ジプシー、最近はロマと呼ぶそうですが、今でもヨーロッパには移動型の生活をしている人たちがいるそうです。彼らは音楽的に優れたものを持っているそうで、上野さんもドイツ時代にバイオリンを彼らに教えてもらったことがあるそうです。そんなロマ音楽的な音楽を上手くモンティーが書いた曲で、けっこう弾くほうは疲れるそうです(笑)
上野さんが弾くとチャルダッシュも柔らかくやさしく響いてました。ハーモニスクの演奏のところはさすがきれいでした。

次は日本の曲から3曲
5.川の流れのように
上野さんが所属していたオケで三大テノール(ドミンゴ、カレーラス、パバロッティー)のバックをしたことがあるそうです。そのときのアンコール曲に歌われたそうで、普段聴くことのなかった日本の歌謡曲がとても新鮮に感じて、いい曲だなと思ったそうです。

6.千の風になって
まるでお約束のようにキターー!って感じ。

7.情熱大陸
葉加瀬太郎、これは以外でした。上野さんのイメージではなかったのですが、それなりに素敵でした。

次は最後、映画音楽のリスト3曲の中からリクエスト
8.エデンの東
なつかしーーよーーなーー。

院長夫人の挨拶があって、ちょっと早い上野さんの誕生日プレゼントの花束贈呈があって、最後アンコールをしてくれました。
アンコールはまた映画音楽の中からリクエストを聞かれたのですが、みんなリストは無視して好きな映画音楽をリクエストするので「楽譜にない曲は弾けません」と笑いが入る場面も。

ということでアンコールは
「風と共に去りぬ」のタラのテーマ
になりました。


間近で見れたので、よ~く観察してきました。
上野さんのバイオリンにはオブリガートが張ってありました。ミーハーなワタクシ、なんだかちょっと嬉しくなっちゃいました。250年くらい前のバイオリンなんだそーーで、オールドにはガット弦じゃないの?という概念もあったのですが、張替えも数ヶ月に1回とか、、、庶民的なところがなんとなく親近感がもてて、いいではないですか。彼の言うところ、音楽家は貧乏が多いそうで・・・。そうは見えませんが、そこそこ収入があって、好きな音楽が出来ているという生活は誰もがうらやむものなのかもしれません。

そして、演奏ですが、弓使い、、、弓毛の部分が平たく弦にあたってないし、指板の上を弾いていたり、かなり基本からは遠いと思います。肘は下がり気味。そしてA線D線のハイポジをよく使われます。これらの弾き方は小さくて柔らかい音を出すのに効果的なのかもしれません。
上手な人の弾き方はやはり初心者にはあまり参考にはなりませんが、演奏のイメージを作るのにはたくさんの演奏を見たほうがよいと思います。

弓は上下目いっぱい使用、弓毛ですが、黒っぽい毛で、金具はゴールドでした。上野さんの柔らかい音を出している要素にはこれらの弓毛や金具の違いもあると思います。

ビブラートなしの部分での音もとてもきれいな音でした。ビブラートは最初からかかってるタイプではなく、音を出し始めてから徐々にかかってました。伸びが良く重くもなく、とてもきれいな音です。

そうそう以前、ジョン・チャヌさんのバイオリンを間近で聴いたことがありますが、彼は指板を叩く左手の音が聴こえていましたが、上野さんのバイオリンはその音がありませんでした。弦の押さえ方にもいろいろあるのですね。

今までだと音楽を聴くことだけを楽しんでいたのですが、こうして近くで演奏を「見る」ことができると、もっとたくさんの人の演奏を近くで「見て」みたいという気がしてきます。


病院ということで、途中退席される方もいらっしゃいましたが、ギャラリーはとてもきれいな素敵な内装になっていました。つい病院ってことを忘れてしまいます。

次回は「しべ」でどんな曲が聴けるのか楽しみです。

そうそう美術館のロビーコンサート、来月は行きたいです!
 

投稿者 Machako : 2009年06月13日 19:09

コメント

おお〜爽やかな風が吹き抜けていくような、素敵な場所ですね、、病院とは思えませ〜ん。
バイオリニストを間近で見ての、Machakoさんの描写は興味深いです、ご一緒させていただいたみたいな気分♪

ていうか、家の近くのギャラリーやら美術館やらでコンサートがあったり、センスのいいお花屋さんがあったり、Cafeがあったり、、お近くに住んでご一緒したい。(笑)

投稿者 nobara : 2009年06月15日 14:34

私も入れて~~(笑)
ほんと、ステキなコンサートですね~♪
リクエストを受けてくれるなんて、、、
そんなコンサート今まで1度もなかったですゾ!(^_^;)

ところで、
Machakoさん、記憶力バツグンぢゃないですか~
nobaraさんのおっしゃる通りだわ。
細かいところまで観察が行き届いていマスし!

エデンの東・・・中学校のお帰り放送の曲だったので、すごく懐かしいんですケド~。この曲を聴くと帰りたくなっちゃいます(何処へ・・・^^;)

投稿者 ゆみ : 2009年06月15日 22:12

>nobaraさん

>素敵な場所ですね、、病院とは思えませ〜ん。
そうなんですよ。近くにあったのに知りませんでした。
PIAギャラリーと書いてある向こうはドーム型の吹き抜けになっていて、明り取りの小窓がたくさんあって、木の梁ととてもよく調和していました。

>ご一緒させていただいたみたいな気分♪
文章には自信がないのですが、よかったです。

都会と違って、あまりたいしたところはないのですが、それでも最近個性的な場所が増えてきているので、時間があったらうろうろしてみたいです(笑)

投稿者 Machako : 2009年06月16日 12:57

>ゆみさん

>リクエストを受けてくれるなんて、、、
たとえ数曲のれパートリーの中からとはいえ、うれし~です!
上野さんですが、チャルダッシュを弾いたあとは汗かいて息切れしてました(^^ゞ
曲のせいではなく、ただ単に会場が暑かったせいだと思いますが・・・(笑)

>Machakoさん、記憶力バツグンぢゃないですか~
それが、こういうことはちゃんと覚えてるのですが(とはいえ短時間記憶)、暗譜で指番号覚えられないのよねーー、なぜかしら、あ、それに今やっている仕事のこともなかなか頭に入りません(笑)
都合記憶とでも言うのでしょうか、都合の悪いことは特に頭に入りません・・・(^ ^;あり?


>エデンの東・・・中学校のお帰り放送の曲だったので、すごく懐かしいんですケド~。
それだ~、なつかしい感じがすると思った・・・。
学校でかかってた曲ってかなり印象深いですよね。
給食のときとか朝の掃除のときとか、、、
きっと私もそんな感じでどこかで聴いていたのだと思います。
匂いと記憶っていうのも、同じ様な感覚がありますよね。

人間の脳って不思議~~~。
 

投稿者 Machako : 2009年06月16日 14:02

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